タイ料理は地域で大きく異なります。中央部はマイルドで甘みのある味付けが多く、トムヤムクン、グリーンカレー、パッタイが代表格。北部はチェンマイを中心に、カオソーイ(カレーラーメン)やサイウア(ハーブソーセージ)など内陸の山岳料理。東北部のイサーン地方はラオス料理の影響で、ソムタム(青パパイヤサラダ)、ガイヤーン(炭火焼き鶏)、ラープが有名。南部はマレーシア・インドの影響でカレーが辛く、海鮮も豊富です。 調理の核は「クルアン・ゲーン」というカレーペースト。レッド、グリーン、イエロー、マッサマンなど色と材料が異なり、市販のペーストを使えば家庭でも本格的な味が10分で作れます。技術的には、スパイスとハーブをすり鉢で潰す、強火で一気に炒める、ライムや砂糖で味を最後に整える、といった工程が肝。レモングラス、コブミカンの葉、ガランガル、タイバジル、ナンプラーが揃えば、料理の幅が一気に広がります。
タイ料理には冷えたシンハーやチャーンといったタイビールが最高の相性。スパイシーな辛さをすっと流してくれます。ワインなら甘口リースリングやゲヴュルツトラミネールがカレーの辛さに寄り添います。お酒以外ならココナッツウォーター、レモングラスティー、ライム入りの炭酸水がおすすめ。 副菜は、ジャスミンライスが王道。タイの食卓は1人1皿で完結することが多いですが、複数料理を取り分けるなら、青パパイヤサラダや春雨サラダ(ヤムウンセン)で爽やかさを足すと食卓が華やぎます。揚げ春巻きや生春巻きを前菜にしてもいいでしょう。 夏はソムタムや冷たい麺料理、冬はカレーや煮込みでバランスを取ると一年通して楽しめます。デザートはマンゴースティッキーライスやココナッツミルクのお菓子が定番です。
タイ料理の特徴は、5味(辛・甘・酸・塩・旨)を意図的に一皿で同時に表現する点です。ベトナム料理はハーブの清涼感が強く、より繊細。インドネシア料理はピーナッツソースやサンバルが軸で甘辛が中心。タイ料理はナンプラー、ライム、唐辛子、パームシュガーで複雑な味のレイヤーを作り、特にレモングラスやコブミカンの葉といった独特のハーブ使いが他国と一線を画します。
ナンプラー、オイスターソース、スイートチリソース、ココナッツミルク缶、にんにく、唐辛子、バジル(タイバジルがなければスイートバジルで代用)を揃えれば、ガパオライスやグリーンカレーは作れます。市販のグリーンカレーペースト(メープロイなど)があれば、本格的な味が10分で完成。ジャスミンライスは輸入食品店で手に入りますが、日本米でも代用できます。
レモングラスはレモンの皮のすりおろしで爽やかさを補えます。コブミカンの葉はライムの皮かレモンの皮で代用可能。タイバジルがなければ大葉やイタリアンバジルで風味は変わりますが代用できます。完全な再現は難しいので、市販のタイカレーペーストを使うのが最も確実な近道。冷凍のレモングラスやコブミカンの葉は輸入食材店で手に入り、保存も効きます。
辛さは料理によります。トムヤムクンやソムタムは確かに辛いですが、パッタイ、マッサマンカレー、カオマンガイ、ガパオライス(唐辛子抜き)はマイルドで子どもでも食べられます。家庭で作る場合は唐辛子の量を完全にコントロールできるので、子ども向けには抜き、大人は別添えのナンプラー唐辛子(プリックナンプラー)で調整するのが現実的です。
ガパオライスやパッタイなら15〜20分で完成します。具材を切る時間が大半で、強火で一気に炒めるので調理自体は5分程度。グリーンカレーも市販ペーストを使えば20分。ジャスミンライスは20分で炊けます。一方、本格的なマッサマンカレーやカオソーイのスープを一から作ると1時間以上。平日は炒め物+ご飯、週末はカレーや煮込みと使い分けるのが現実的です。